オキシクリーンはどこでも入手できるようになってきていて、最近ではコンビニでも販売されているのを見かけます。服やキッチン、身の回りのあらゆるところの漂白・清掃に役立つ便利アイテムです。
オキシクリーンは過炭酸ナトリウムを主成分とする「酸素系漂白剤」です。単独で使うと衣類やキッチンまわりの汚れ落としに強力で、とても綺麗に洗浄や清掃が出来るのですが、他の洗剤や化学薬品と混ざることで有毒ガスの発生や素材へのダメージを招く恐れがあります!
効果もすごい分、使い方を間違ってしまうと大変なことになる可能性がありますので、オキシクリーンを使う前にこの記事を読んで混ぜてはいけないものを理解しておくと良いです!
オキシクリーンと混ぜてはいけないものとその危険性

オキシクリーン(過炭酸ナトリウム)は酸素の力で強力に漂白・除菌しますが、他の洗剤や薬品と混ぜると有毒ガスの発生や化学反応による事故につながります。以下では代表的な混合禁止物と、その反応がもたらす危険性を解説します。
塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)
オキシクリーン+塩素系漂白剤 → 塩素ガス発生
発生メカニズムは、過炭酸ナトリウム(アルカリ性)が次亜塩素酸イオンと反応し、強い刺激臭をもつ塩素(Cl₂)を生じる。
危険性
- 呼吸器への強い刺激:咳、息苦しさ、胸痛
- 目や喉の焼けつくような痛み
- 高濃度では肺水腫や中毒死の恐れ
酸性洗剤・クエン酸
オキシクリーン+酸性成分 → 激しい発泡・発熱
発生メカニズムは、アルカリ(過炭酸ナトリウム)と酸が中和反応を起こし、二酸化炭素(CO₂)を大量発生
危険性
- 容器内圧の急上昇による破裂
- 高温泡によるやけど
- 床や衣類への液体噴出事故
アンモニア系洗剤
オキシクリーン+アンモニア洗剤 → 塩素化合物(塩化アンモニウム等)の生成
発生メカニズムは、塩素系漂白剤ほどではないものの、過酸化物とアンモニアが反応し有害な窒素・塩素化合物を生成する。
危険性
- 悪臭ガスの発生による吐き気
- 呼吸器・粘膜の刺激
- 長期暴露で健康被害のリスク増大
他の酸素系漂白剤(過酸化水素など)
オキシクリーン+他社酸素系 → 過剰酸素供給
発生メカニズムは、過炭酸ナトリウム+過酸化水素が同時に分解し、瞬間的に大量の酸素を放出する。
危険性
- 容器の内圧上昇・破裂
- 強い泡噴出による飛沫被害
- 不安定な混合液が飛散しやすく、目や肌に触れる危険
混合禁止物 | 主な反応・発生物質 | リスク |
---|---|---|
塩素系漂白剤 | 塩素ガス(Cl₂) | 呼吸器障害、目・皮膚の重度刺激、中毒死 |
酸性洗剤・クエン酸 | 二酸化炭素(CO₂)、発熱泡と噴出 | 容器破裂、やけど、噴出事故 |
アンモニア系洗剤 | 塩素化合物(塩化アンモニウム等) | 悪臭ガス、呼吸器・粘膜刺激 |
他の酸素系漂白剤 | 大量の酸素 | 容器破裂、飛沫被害、不安定混合液の飛散危険 |
オキシクリーンは単独使用がもっとも安全です。基本的にオキシクリーンは水やお湯と混ぜて使うものですので、洗浄力を高めようとして、その他洗剤を混ぜると上記のような危険が生じるかもしれません。
オキシクリーンを使用する前に洗剤などで清掃や洗濯をした場合は成分が残っている可能性がありますので、必ず「前の洗剤をしっかりすすぐ」「十分に換気する」「保護具を着用する」を徹底してください!
オキシクリーンの最適な溶かし方

オキシクリーンは溶かし方次第で洗浄力が変わるのをご存知でしょうか?
ポイントは「水温」「濃度」「攪拌(かくはん)」の3つです!
水温は、40~50℃がおすすめです。温度が高いほど汚れ分解が進む一方、衣類や繊維へのダメージも増すため、熱ければいいという訳ではないので要注意!
濃度は、水1Lあたりオキシクリーン大さじ1(約12g)が基本。オキシクリーンの容器にも記載されている分量を守れば間違いないです!頑固な汚れには1.5倍まで増量すると効果がより増すのですが、素材の耐性を確認してからにしましょう。
攪拌について、粉末を加えたらスプーンや箸で上下に軽くかき混ぜ、約1分待ってからさらに混ぜるとしっかり溶けます。溶け残りがあると、衣服などにオキシクリーンの粒子がこびりつく可能性があるので、完全に溶かし切ったのを確認しましょう!粉残りがあると、白い粉じみが発生することがあるので要注意です!
浸け置き前に溶液を30秒ほど放置し、「シュワシュワ」とした泡立ちが落ち着いたら最適状態です。
【まとめ】汚れ別のオキシクリーンおすすめ活用レシピ
以下の表で、代表的な汚れに合ったオキシクリーン溶液の作り方とポイントをまとめました。
汚れの種類 | 濃度(水1Lあたり) | 水温 | 浸け置き時間 | ワンポイント |
---|---|---|---|---|
血液・タンパク質汚れ | 大さじ1.5(約18g) | 40℃ | 30分 | 浸け置き後、冷水で優しくすすぐ |
油汚れ・皮脂汚れ | 大さじ1(約12g) | 50℃ | 20分 | 最初に台所用中性洗剤を少量プラス |
カビ・ぬめり汚れ | 大さじ2(約24g) | 45℃ | 1時間 | ブラシでこすり洗いを併用すると◎ |
黄ばみ・経年汚れ | 大さじ2(約24g) | 50℃ | 2時間 | 紫外線に当てると漂白効果アップ |
これで「用途別」「汚れ別」に最適なオキシクリーン活用法が一目で分かります。次は、素材別(ウール・シルク・合成繊維)に適した使い分けを深掘りしてみましょうか?