アクリル板は、大手のホームセンターで買えます。コメリは公式サイトにアクリル板の特集ページを設けていて、カインズも商品ページでアクリル板を販売しています。
ただし、どのサイズや厚みが置かれているか、売り場のどこにあるか、希望の寸法に切ってもらえるかは、店舗によって変わります。購入前に知っておきたいのは、サイズ、厚み、価格の3点です。
ホームセンターで買えるアクリル板のサイズと厚み
ホームセンターのアクリル板は、あらかじめ決まった大きさに切られた「定尺品」が基本です。コメリの公式特集ページでは、標準品のサイズがSS・S・M・Lの4段階で示されています。
SSは180×320mm、Sは320×550mm、Mは550×650mm、Lは650×1100mmです。A4用紙が210×297mm、A3用紙が297×420mmですから、SSはA4より少し細長い程度、SはA3よりひと回り大きいくらいと考えると、手元のものと比べやすくなります。
厚みと色の種類
厚みは、透明タイプで1mm、2mm、3mm、5mmの4種類が案内されています。色付きや白は、2mmと3mmが中心です。
色や仕上げの種類も幅広く、透明のほか、乳白半透明、白、黒、半透明のカラー数種、スモーク、ミラーシルバー、表面を硬くしたタイプなどが並びます。
ただし、すべてのサイズと厚みにすべての色があるわけではありません。「この色を3mmで」と決めて行っても、組み合わせによっては置いていない場合があります。
型板や縁色付きの特殊なタイプ
模様の入った型板(かたいた)は、300×450mmと450×600mmの2サイズで、厚みは3mmのみです。縁だけに色が付いた板は、2mmと3mmが用意されています。
装飾や照明の拡散など、見た目を重視する用途では、こうした特殊なタイプも選択肢に入ります。
チェーンによる展開の違い
これはあくまでコメリの商品構成です。別のチェーンであるカインズの商品ページを見ると、乳白半透明の板で、厚みは2mmと3mmです。
サイズは200×300mm、300×450mm、450×600mm、600×900mmの展開で、最大は2mm厚の600×900mmと読み取れます。チェーンが変われば、サイズの区切り方も厚みの幅も変わります。お近くの店舗の品ぞろえは、売り場や公式サイトで確認してください。
サイズを決めるときの切りしろ
サイズを選ぶとき、必要な寸法ぴったりの板を探してしまうと失敗しやすくなります。たとえば、棚の上に置く300×500mmの板が欲しくて、320×550mmのSサイズを買ったとします。
切らずに使えるなら問題ありません。しかし、角を丸くしたり、切り口を整えたりすると、思ったより寸法が減ります。切り損じたときのやり直しもきかず、結局もう1枚買う羽目になりがちです。
寸法が決まっているなら、上下左右に数ミリから1cm程度の余裕がある定尺品を選び、足りない分は切って整えるほうが安全です。
逆に、定尺品に合わせて棚や枠の寸法を決める方法もあります。切断の手間も失敗も減らせます。
ホームセンターでの価格の目安
価格は店舗や時期で変わるため、参考になる調査をひとつ紹介します。プライシーの「アクリル板の価格相場」という記事(2026年4月22日更新、2026年4月時点の調査)では、カインズ、コメリ、通販専門店などを参照して、サイズごとの目安が示されています。

この数値は1つの記事による調査結果です。実際の店頭価格とは差が出る前提で見てください。
同記事によると、200×300mm前後で2mm厚の小さめの板は、ホームセンターで千円前後から1,500円ほどが目安です。よく使われる450×600mmで3mm厚になると、およそ2,500円から4,000円ほどの幅です。
915×1830mmの大判で3mm厚になると、1万円から1万2,000円ほどで、1万円前後を見ておく規模になります。10mm以上の厚板は、同じ面積でも数万円規模になることがあり、同記事は専門店への見積もりを勧めています。
通販専門店との価格差
通販専門店と比べると、ホームセンターはやや高めになりやすいとされています。特に大判で差が開きやすく、同記事の目安では、同じ915×1830mmの3mm厚で、通販専門店は5,000円から8,000円ほどです。
一方で、ホームセンターには、実物を見て透明度や色を確認できる利点があります。少量から買えて、その日のうちに持ち帰れる点も強みです。
値段だけでなく、失敗したときにすぐ買い直せる手軽さも、選ぶ理由になります。
押出し板とキャスト板の違いを知っておく
アクリル板には、作り方の違いによる「押出し板」と「キャスト板」の2種類があります。押出し板は、溶かした原料を機械から押し出して板にしたものです。キャスト板は、2枚のガラスの間に原料を流し込んで固めたものです。
この違いが、価格、加工のしやすさ、強さに影響します。
それぞれの特長
プライシーの解説によると、押出し板は安価で、板厚の精度が高く、熱で曲げる加工がしやすく、溶剤による接着にも向いています。厚みは最大20mm程度までです。

一方、キャスト板は価格が押出し板の1.5倍から2倍ほどで、硬度が高く、切削などの機械加工に向きます。発色が鮮やかで、屋外や高温の環境に強いのも特長です。20mmを超える厚みはキャスト板のみで、溶剤接着には向かないとされています。
どちらを選ぶか
選び方の目安は、室内で使うDIYなら押出し板、屋外や高温の場所で使うならキャスト板です。
ただし、ホームセンターの商品には、どちらの種類かが分かりやすく書かれていないものもあります。カインズの商品ページには「アクリルキャスト板」と名前に明記された商品があり、ホームセンターにもキャスト板が置かれているのは確かです。
商品名やラベルに種類が書かれていれば、それを確認してください。書かれていない場合は、売り場の担当者に聞くか、メーカーの仕様を調べるのが確実です。
耐熱性も確認する
カインズの同商品ページには、比重が約1.19、連続使用の最高温度が80℃、加熱変形温度が87〜105℃と記載されています。比重とは、同じ体積の水と比べた重さの比率のことで、1.19なら水より約2割重い素材ということです。
ストーブやヒーター、直射日光が長時間当たる窓際などで使う場合は、耐熱の数値を必ず確認してください。
「建材用」のアクリル板は価格だけで選ばない
コメリの特集ページには、標準品とは別に「建材用」のアクリル板が紹介されています。サイズは300×300mmから915×1830mmまでと大きく、厚みは2mm、3mm、5mmが中心で、標準品より安いのが特長です。
ただし説明には、耐熱の目安が約60℃で標準品の約80℃より低いこと、表面の保護が紙のみであること、溶剤接着で割れが出やすいことが挙げられています。
たとえば、安さにひかれて建材用を買い、アクリル用の溶剤系接着剤で枠に貼り付けたとします。接着剤が板の表面に回り込んだところから細かいひびが入り、数時間後や翌日に目に見えて広がることがあります。
溶剤接着は、接着剤がアクリルの表面をわずかに溶かして貼り合わせる方法です。もともと内部にひずみを抱えやすい板だと、そこから割れやすくなります。
建材用を使うなら、貼り方を接着剤以外の方法にする、目立たない端材で先に試すなど、割れを前提に工夫しておくと安心です。接着用品の選び方は、アクリルDIYで便利なアイテム集が参考になります。
希望の寸法に切ってもらえるか:カットサービスの確認
「希望の大きさに切ってほしい」という要望は多いのですが、ここは情報が割れている部分です。
プライシーの記事では、ホームセンターは専門的な精密カットに対応していないことが多く、希望サイズが必要なら通販専門店のオーダーカットが確実だとされています。一方、別の購入先解説記事では、ホームセンターの店頭で有料のカットを受けられると書かれていますが、料金の記載はありません。
また、コメリの特集ページにはカットサービスの記載がなく、DIY用の工具としてアクリルカッター、アクリル用接着剤、曲げ加工用ヒーターなどが並んでいます。カインズの商品ページにも、価格やカットサービスの記載はありません。
公式ページでアクリル板のカットサービスを明記した説明は、確認できませんでした。つまり、対応の有無、料金、切れる寸法は、店舗ごとに違うものと考えるのが現実的です。
カットを頼む前に確認すること
カットを頼みたい場合は、買う前に店舗へ問い合わせておくのが確実です。聞いておきたいのは、アクリル板がカットの対象になっているか、何mm厚まで切れるか、1カットあたりの料金はいくらか、の3点です。

加えて、切り口の仕上がりはどの程度か、待ち時間はどれくらいかも確認します。機械で切ったあとの断面が白く曇ることもあるため、見た目が気になる用途では特に大切です。
たとえば、木材のカットサービスと同じ感覚で行って、アクリル板は対象外だったという場面は十分考えられます。その場でカットを断られると、帰宅してから自分で切る道具をそろえる手間が増えます。もう一度店を変えて買い直すことにもなりかねません。
カットを前提にする場合ほど、事前に電話などで確認する価値があります。
自分で切る場合の記事
自分で切る場合の方法は、アクリル板の切り方で、カッターを使った基本の手順から割らないコツまで説明しています。
穴を開けたい場合はアクリル板に穴を開ける方法を、切断後の断面を整えたい場合はアクリル板の切り口をきれいにする方法を参照してください。
100均や通販専門店との使い分け
ホームセンター以外の買い方も、価格とサイズの面から比べておきます。

100均のアクリル板
小さな工作なら、100円ショップのアクリル板も選択肢に入ります。オールアバウト系の購入先解説記事(2025年8月9日公開)によると、ダイソーでは約150×100mm、300×200mm、450×300mmなどのサイズが110円台から300円台で売られています。
セリアでは約150×100mm、180×130mmなどが110円とされています。100均でも、アクリルカッターが売られていると紹介されています。
ただし、同じ記事の中で同程度のサイズの価格が110円と220円で食い違っている箇所があります。100均の価格やサイズは時期や店舗で変わると考えて、参考程度にしてください。
100均とホームセンターの使い分け
同じ解説記事では、ホームセンターの価格は330円から数千円、600×900mmや1800×900mmといった大きな板も置かれているとされています。
100均は手軽ですが、サイズが小さく、厚みや種類の選択肢も限られます。ケースの蓋や小物の仕切りのような用途なら足りても、棚板や窓の内側に取り付ける板のように面積が必要なものは、ホームセンターか通販のほうが向いています。
通販専門店が向く場合
通販専門店は、価格が安めで、希望寸法のオーダーカットに応じてくれるところが多いとされます。切り口の精度や角の処理まで頼めるケースもあるため、寸法がシビアな用途や、大きな板を使う用途では有力です。
ただし、届くまでに日数がかかりますし、送料や梱包の費用がかかる場合もあります。総額で比べてください。
今日中に必要なとき、少量だけ欲しいとき、色や透明度を実物で見て決めたいときは、ホームセンターが便利です。
塩ビ板が並んでいることもある
売り場には、見た目がよく似た塩ビ板(塩化ビニル製の板)が並んでいることもあります。アクリルとは性質が違い、同じ加工方法が使えるとは限りません。
パッケージに素材名が書かれているか、買う前に確認してください。違いはアクリルと塩ビの違いで説明しています。
厚みの選び方
厚みは、用途で決めるのが基本です。薄い板は軽く、扱いやすく、安いのですが、大きな面積になるとたわみやすくなります。
厚くなるほど硬く、しっかりした仕上がりになります。ただし、重く、価格も上がり、切る・穴を開けるといった加工の難度も上がります。
棚板のように重さが加わる用途や、立てて使う大きな仕切りのように倒れにくさが必要な用途は、厚みに余裕を持たせてください。写真やポスターを挟んで押さえる程度の使い方なら、薄めでも足ります。
購入前に決めておく5つのこと
買い物で迷わないために、行く前に次の項目を決めておきます。

たとえば、窓際で夏の直射日光が当たる場所に置く板は、耐熱性が低い建材用では厳しい場合があります。使う環境を想定したうえで、板の仕様を確認する流れが安全です。
持ち帰りと保管で気をつけること
大判の板の持ち帰り
大判の板は、持ち帰りにも注意が必要です。915×1830mmといったサイズは、車の荷室に収まらないことがあります。家を出る前に、車の荷室の寸法と板のサイズを比べておくと安心です。
運ぶときは、板が反らないよう平らな状態を保ち、角や縁をぶつけないようにします。縁は鋭くなっていることがあり、持つときに手を切るおそれもあります。
保護紙は加工が終わるまで残す
板の表面には、保護用の紙やフィルムが貼られています。加工前に剥がしてしまうと、作業台で細かい傷が付きやすくなります。

たとえば、帰宅後すぐに保護紙を全部剥がして、作業台の上に置いたとします。置いたときの擦れや、切りくずを引きずる動きで傷が入り、せっかくの透明度が損なわれます。
切る、穴を開けるといった作業が終わるまでは、保護紙を貼ったままにして、必要な部分から剥がすのが基本です。
加工前に知っておく安全面
カインズの商品ページには、切断や加工のときは切りくずが目に入るのでマスクと保護メガネをすること、縁で手を切ることがあること、可燃性なので火気の近くで保管・加工しないことが書かれています。
ヒーターを使う曲げ加工やはんだごて、バーナーなどを近くで使う作業は、特に注意してください。
清掃のときに使うアルコールも、アクリルにはひび割れの原因になることがあります。アクリル製品にアルコールが付着すると割れる原因と対策を、使い始める前に確認しておくと安全です。
